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今こそツアーで内部を探検。 修復中のビッグベンの本質と、その楽しみ方
ロンドンのアイコン、ビッグベン。 その荘厳な佇まいは、ロンドンが世界の覇権を未だに失っていない象徴であることを知らしめる。 さて、そんな世界的な建築物、ビッグベン。 まさか、外観だけスマートフォンで収めて満足していないだろうか? 「NO ANTIQUE NO LIFE」では、よりディープな楽しみ方を伝授する。 それはビッグベンの内部探索だ。 実は、英国国会議事堂であるこの建物は、国会議員が夏休みをとっている間、一般人がツアーとして中に入ることができる。 外観以上に圧倒的な英国様式と、その深い歴史を本記事ではご紹介しよう。

ビッグベン Big Ben
▶そもそもビッグベンとは。 その歴史と正式名称
ロンドンの国会議事堂、ウェストミンスター宮殿の時計台の大時鐘の愛称がビッグベンだ。 実はビッグベンの名前の由来は諸説あり、当時の工事責任者で大柄な体格であった国会議員のベンジャミン・ホール Benjamin Hallの名にちなんで命名された説や、当時のヘビーウェイト級のボクシングチャンピオンの名前からきたという説など様々。 ちなみに、正式名称は、クロック・タワー Clock Towerだったが、エリザベス女王の即位60年にエリザベスタワー Elizabeth Towerに改名されている。
老朽化の問題を解決するために、2017年からビッグベンは改修されているため、外観が職人のための足場で覆われている。 4年という歳月を経て、2021年にリファーブリッシュメントは完了する予定である。
▶内部の撮影は禁止!目に焼き付けて楽しむ、ビッグベンの内部探索
ロンドンのアイコンとも言えるこのビッグベン、実は内部に入ることが可能だ。 実際に入ることができるのは時計台ではなく、国会議事堂の方であるが、「NO ANTIQUE NO LIFE」の読者にはぜひ訪れてほしい。 なぜなら、他では見ることができないアンティークの宝庫だからだ。
その内部探索をする方法は至って簡単。 JTB等のツアー等に申し込めばよい。 内部案内の公認資格を持つ日本語ガイドが、国会議事堂の内部を説明しながら、2時間程案内してくれるとても贅沢な時間を過ごせる。

ビッグベン内部(2017年夏に撮影)
内部では一部を除いて撮影が禁止のため、ここには詳しく掲載することができないが、Brexit等でよく目にする英国国会議事堂の内部や、豪華で美しいセントスティーブンスホール、セントラルロビー、ロイヤルギャラリー、貴族院議会など、英国好きにはたまらない宝がそこにあるのだ。 英国国会議事堂の公式動画を下記、掲載するので興味をもたれた読者はチェックしてみてほしい。
▶ビッグベンとアンティークの共通項とは
アンティークは物が人を介して引き継がれる。 今回ご紹介したビッグベンも本質は同じだ。 このロンドンのアイコンは、数多くの職人が、インテリア・エクステリア・共に、監視を続けている。 それによってビクトリアン中期から本質が引き継がれているのではないだろうか。
このビッグベンにも、本マガジンが提案する「過去はいつも新しく、本物の未来はいつも懐かしい。」というエッセンスが眠っている。
4年間のビッグベンのリファーブリッシュメントや Brexitの影響で新陳代謝が早くなった英国の国会議事堂を尻目に、ビッグベン自体は悠々と時を刻み続けようとしている。
今まさに修復中の姿を撮影した写真を見てほしい。このリファーブリッシュメントの美しさは、正に芸術だ。
これからも、この脈々と続く「物」と「人」を繋ぐ仕事を、発信してゆこう。
改装中のビッグベン(2019年春に撮影)