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ブラックキャブ談義。ロンドンタクシーを改造したカフェのオーナーに訊く、ブラックキャブの本質とは。

変えなければ続かないし、変えすぎても良くない。ロンドンタクシーが世界中の人に親しまれる理由は、時代とともに変えるべき部分を見極めてきたからだ。そのロンドンタクシーTX1を改造したカフェのオーナーとの談義を通じて、イギリスに根付くアンティークの本質を再確認した。


▶英国のカントリーサイドにて

2019年3月28日、著者土橋は英国のカントリーサイドStratford upon Avonを訪れていた。 27年前に人生を変えた、英国のカントリーサイドを再び歩いてみたいという気持ちに駆られたからだ。

戦後、スクラップ・アンド・ビルドでコンクリートで姿を変えてしまった日本の街にはない、レンガが綺麗に敷き詰められた道と、何世代も受け継がれてきたその街並みは、イギリスの宝だといつも思う。 こういった歴史の積み重ねられてきた、素晴らしいカントリーサイドから、上質な英国アンティークを見つけることが多いのも納得だ。


ロンドンタクシーのカフェオーナーとの談笑


▶ロンドンタクシーTX1を改造したカフェのオーナーの想い

街の中心街を歩いていると、ロンドンタクシーTX1を改造して作られたカフェを見つけた。 このモデルは、現在もロンドンで走っている「現役」のタクシーである。 せっかくなのでオーナーに話かけてみた。 なぜロンドンタクシーを改装してカフェを開こうとおもったのか? と聞かずにはいられなかった。


オーナーは「街の人気者であるロンドンタクシーが、人ではなく、食べ物を運んできたら面白いだろ?」とおっしゃっていた。 彼いわくブラックキャブは「ロンドンのアイコン」であり、その点を生かし、各地に移動できるカフェを開こうと思ったそうだ。 ロンドンタクシー・コレクターとして、この話を起点に、ブラックキャブに関する話が止まらなくなってしまい、かなり長い時間話し込んでしまった。


ブラックキャブ談話が落ち着いた頃、私は丁重にお礼をして、現役のロンドンタクシーTX1から提供されるコーヒーを注文してみた。 見た目は普通の紙コップで提供されたが、思いのほか、そのコーヒーは上質な味をしていた、いや、上質な味に感じてしまったのかもしれない。 ローストされたスモーキーな香りと、あとに残るほろ苦さの余韻を味わいながら、私はこの街を後にした。


土橋編集長が所有するロンドンタクシーが並ぶ


▶ロンドンタクシーとアンティークに共通する本質とは。

日本で10台のロンドンタクシーを保有しているロンドンタクシー・コレクターとして、今回の出会いと対話を通してアンティークとロンドンタクシーに共通する「本質」を再確認することができた。


それは、「過去はいつも新しく、本物の未来はいつも懐かしい。」ということだ。


脈々と続くロンドンタクシーやアンティークの歴史の奥深さ。 その深い歴史をしみじみ感じつつ、そこから湧き出ている「新しさ」と「懐かしさ」のハーモニー。 ロンドンタクシーとアンティークの両者とも、引き継いでいる物が「モノ」だけではなく「ヒト」という財産が共に存在することで、この上質な調和が生まれるのだ。 歴史を見出す「ヒト」が、その「モノ」の財産を新しく、そしてより良いものに昇華してゆくのである。 今後も、この上質な「モノ」と「ヒト」を繋ぐ仕事を、続けてゆこうと思う。


世界でも稀なパールホワイトFX4 Plus (1989年製)


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#ロンドンタクシー #ブラックキャブ #英国訪問 #カントリーサイド