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The Number 15. ルートマスターでロンドン中心地を往く

ロンドンのアイコンといえば真っ赤な2階建てバス。 お土産から、アニメ、英国のドラマ、そしてハリーポッターにも出てくるこのアイコニックなバスは、全世界に知れ渡っている。 しかし、ロンドン中を走るこの世界一有名なバスの中でも、ある特別なバスとルートがあることをご存知だろうか。 アンティークにも通ずる、その秘密と楽しみ方を今回はご紹介しよう。


New Routemaster


▶ロンドンバスの起源と、その歴史

ロンドンバスの歴史は、世界一古いロンドンの地下鉄をも凌ぐ。 その起源は、1829年にジョージ・シリビアという人による、馬車でパディントン〜シティの間で馬車輸送を始めたことだと言われている。また、1800年代中頃には、馬車(1階建て)による輸送では、庶民の足としてはキャパシティ不足となったことが引き金となり、2階建車両を生むことになった。 ここに現在のロンドンバスの原型が出来上がる。


最も有名なバスのモデル、Routemaster(ルートマスター)は1956年から1968年の間に生産された。 このバスはドライバーと、開きっぱなしになっているバス後方部の出入り口に、もう一名チケットをチェックするスタッフが立つ2名体制であった。このルートマスターは戦後のロンドンバスの基礎を作ったが、ワンマンバスと定員数の増加の流れには逆らえず、2005年12月9日に現役を引退。


現在は前ロンドン市長だったボリス・ジョンソンが新型バス「新型ルートマスター」を投入しており、「ボリスマスター」や「ボリスバス」とも呼ばれている。ちなみに、ロンドン交通局によれば、今後はハイブリッドモデルやゼロ・エミッションバスの投入を予定しており、21世紀型のエコなバスへのさらなる進化を遂げる予定とのことである。


引用: ロンドン交通局 https://tfl.gov.uk/modes/buses/


▶実はロンドンバスの15番は、まだルートマスターに乗ることが可能

2005年にロンドン市民に惜しまれながら引退した、このRoutemaster。 実は、現在でも乗ることが可能である。




朝の09:30から18:00まで、タワー・ヒル駅からトラファルガー・スクエア駅までの間、 15番の番号を持つバスが”ごくたまに” このRoutemasterで運行しているのだ。


このルートは「The Heritage Route・遺産ルート」と呼ばれ、未だにロンドン市民に愛されている。 外観は、まさに歴史あるロンドンバス「Routemaster・ルートマスター」であるが、リノベーションされた内装は、逆にモダンな印象を受ける。 このバスの2階の最前面で、ロンドンの中心地をゆっくり上から楽しみながら移動するのは、低コストながら贅沢な楽しみ方だと言える。 ただし、ごく稀にしか走っていない限定バスのため、運が悪いと何本も見送ってやっと出会える「レア物」のバスであることに注意が必要だ。


なお、本ルートの詳細に関しては、YouTubeの下記の動画から確認できるので、ロンドンバスがお好きな方は、要チェックである。

https://youtu.be/QWYPRenknK4


▶ロンドンバスとアンティーク


アンティークは物が人を介して引き継がれるが、今回ご紹介したロンドンバスも、実は同じだ。 この世界一有名なバスは、引退後も引き継ぎ人が、世界中で保管、および運行・活用をしている。 つまり、このRoutemasterは大型のアンティークと言えるだろう。


この流れにも、本マガジンが提唱する「過去はいつも新しい。本物の未来はいつも懐かしい。」というエッセンスを感じないだろうか。


脈々と進化を続けるロンドンバス。 しかし、その歴史は消えることなくロンドン、いや世界の街中で、今なお生き続けている。 2005年に引退したRoutemasterは15番以外にも、ロンドンの観光をしながら、車内でアフタヌーンティーを楽しむ車両として活用されたり、イベント時にポップアップのカフェやバー、レストランとして利用され、ロンドナーからの親しみを失う気配はない。 ロンドナーによる「Routemaster」という物と、それを引き継ぐ人の交わりは、とどまることがないのである。 これからも、この脈々と続く「物」と「人」を繋ぐ仕事を、発信してゆこう。


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