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ウイリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ運動

英国は世界の歴史を変えてきた。 産業革命はまさに、英国発の世界を一変した出来事である。 しかし、世界で最も早く産業革命を経験した分、その反動も早かった。 それがArts and Crafts Movement(アーツ·アンド·クラフツ運動)だ。19世紀、英国の詩人であり、デザイナーであり、画家であり、実業家であったウイリアム·モリスが起こした、産業革命への反動の狼煙はどんなものであったのか。


ウイリアム・モリス


▶アーツ・アンド・クラフツ運動とウイリアム・モリス

産業革命後のビクトリア時代の英国では、大量生産の安価で粗悪な物があふれていた。1880年代にWilliam Morris(ウィリアム・モリス)は、この状況を痛烈に批判し、手仕事に回帰し、生活と芸術を統一することを主張した。


上記の運動として、自身でモリス商会を設立。 Kelmscott Press(ケルムスコット・プレス)にて装飾された書籍を打ち出したり、壁紙や家具、ステンドグラスなどのインテリア製品を製作した。この、生活と芸術を一致させようとしたモリスの思想は世界に伝播し、アール・ヌーヴォー等の美術運動に影響を与えたと言われている。 日本の柳宗悦による民芸運動も、日用品の中に美を見出すものであり、アーツ・アンド・クラフツ運動の影響をうけたと推測できる。


まとめると、モリスの根本思想は、美を日常生活に取り入れることで、生活の質を向上させること。 そして、その美は一般大衆に浸透すべきということであった。 この思想と功績により、彼は「モダンデザインの父」と呼ばれている。



▶今なお輝き続ける、モリスのデザイン

読者の方は、ウイリアム・モリスといえば「鮮やかな多色刷りのプリント生地」をイメージする方が多いだろう。 彼の遺した生地の作品の多くはロンドンの中心地にあるVictoria and Albert Museum(ビクトリア・アンド・アルバート ミュージアム)に収められている。 モリスの鮮やかなプリント生地を知るにはここに訪れるべきだ。

https://www.vam.ac.uk/


しかし、もう一つ訪れるべき場所がある。 それは「William Morris Gallery(ウイリアム・モリス・ギャラリー)」である。 こちらは、生地等にとどまらないモリスの活動、つまり詩や装丁、出版から彼の社会運動まで、より人にフォーカスを当てた作品を閲覧できる。 なんと言っても、ギャラリーの建物はウイリアム・モリスが8年間住んでいた家。 彼の以前の家の中で見る、モリスの活動は別格の体験になることは間違いない。

https://www.wmgallery.org.uk/


▶ウイリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動もまた、現代に引き継がれた

モリスは、なぜここまで有名なのか。 それは、産業革命によって分断され、ないがしろにされた手仕事の大切さを世の中に問うたからに他ならない。 手で1つ1つ作られた物の美を持つことで、より高い喜びがあると彼は世界の人に知らしめたのだ。 これはアンティークにも同じことが言える。 長い物の歴史と、それを紡いできた人の歴史、2つの融合を引き継ぐアンティークも、まさに生活に取り入れる美であることは言うまでもない。 そして、その美の裏側には機械で大量生産されていない、個の創り出した強烈なクラフツマンシップが潜んでいる。


NO ANTIQUE NO LIFEの標語「過去はいつも新しく、本物の未来はいつも懐かしい。」に、モリスが世の中に価値を問うたクラフツマンシップと美は欠かせない。 アンティークが好きな方であれば、ぜひ一度彼の思想や運動を見つめる時間をとってみてはいかがだろうか。


ちなみに、鎌倉アンティークスで扱うウイリアム・モリスの商品は下記のリンクから確認できる。

興味をもたれた読者は、確認してみてほしい。

https://kamakura-antique.com/?mode=grp&gid=2051640&sort=n


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